自分史とホームページ

私は65才以上の高齢者になる。人生を振り返ることができる歳になった。頭の中を走馬灯のようにこれまでの色々な出来事が浮かんでくる。これらの出来事をその時々の人と会って話せればどれだけ幸せだろう。

長い道のりだったと実感する。

俯瞰的に人生を眺めると、福岡筑豊で生まれ、小学生の長崎松浦、中学は長崎、佐賀、京都と3校で、高校の3年間は何とか京都府立高校で過ごせたが、卒業と共にB型肝炎を発症し、就職と夜間大学に行き、紆余曲折した40年の公務員生活を過ごした。

加えて、リタイヤ後の期間も含め、その間の出来事である。

この間の断片を、少数であるが語り合える人がいることに、最近、涙腺が弱くなったのか、涙を伴いながら感謝することが多くなった。

そんな時、元の職場の先輩と話すことがあり、情報通信の専門家のこの先輩からホームページの作り方を紹介してもらった。そして手取り足取りで自分史まがいのホームページを作ることができた。

最初は、かなりの緊張感を覚えた。見知らぬ不特定の人に見せることがどんなことなのか。見て貰えるものなのか。独りよがりではないのかなどなど。

しかし、一旦アップすると、そんな気持ちは消え、世界が開けた。

何もない無味乾燥だと思っていた、これまでの自分の人生をかたちにすると、自分の人生を客観視でき、不運だったことすら自分史の中では、スポットライトを浴びる大きな出来事となって目の前に現れた。

無味乾燥な人生なんて誰にもなく、人それぞれの中で、唯一無二の映画のストーリーとして、個々が主人公を演じていることに気が付いた。

ここまではかなり大げさな表現になったが、このホームページは便利なグッズである。

まず、友人など知人と、仮に一杯やりながら、昔話などに話を咲かせた時、このホームページをスマホで開き、添付の写真などを見ながら話すと、当時にタイムスリップして大いに盛り上がることができる。

また、初対面の人でも、例えば登山の話題になった時、このホームページを見ながらなら、その距離感が一気に近くなる。

そして、これは気が付いた大きなことだが、1人きりで、これもまた、一杯やりながらでも、過去を振り返る時、このホームページを見ながらだと、何も無い時と違い、明確に自分の人生を見ることができる。

多くの人達と同様に、全く世間に埋もれた、見えない存在ではあるが、その道のりで多くの人との出会いと惜別を経験して今日に至っていることを再認識する。

これは「絆」の連鎖だと思う。その中で数多くの思い、喜びや嘆きを繰り返して来た。そんな出来事、人との繋がり、人生そのものを、ホームページで再構築できた。

このホームページをアップして数年が経とうとしている。アップごとのチェックでアクセスカウント数の200回くらいは自分でアクセスしたように思うが、それ以外は色々の方に見てもらえたのではないだろうか。予想もしなかったことで、本当に感謝したい。

このホームページの原稿はある出版社の自分史投稿への応募作が元になっている(当然落選だったが、係る企画があったことにも感謝したい)が、自分史を通して、日々思うことが増幅して今に至っている。

自分史として他の方にその半生を見てもらうことは、飾り気のなしの生き様を見せることになるが、その方法に関しては、文章作成能力の高さや、形としての本を創るための財力が必要となってくる。

その後、とある出版社にどれだけの費用がかかるのか問い合わせしたことがあったが、250ページの本で1200部、約270万円かかるとのことだった。

こんな中身のホームページで、仮に作成した本を1000人に配布できたとして、さらに、たとえ見てもらえたとしても、私自身にとってどれだけの価値があるのだろうか。予想では積読になるのは間違いないだろう。

そんな能力や資金力を持ち合わせていない者がどうすればいいのか頭を痛めるところだが、そんな時ホームページが役に立つ。

無料のホームページサイトを活用すれば、まったく財力は必要としない。後は、幼稚であれ、どれだけたどたどしい文章であれ、自分が納得し自分の言葉で、人生を表現すればいいのだ。

とは言え、前提はあると思う。

それはこのホームページでは、個人情報を確実に保護することであり、自分の体験上辛かった、自分を苦しめた出来事の中の相手個人を、決して誹謗中傷しないこと

このことはしっかりと守らなければならないと思う。

そして、このホームページの元は、20代後半から書き出した日記であることも参考に記したい。何気なく書き綴ったものが積み重なると一つの記録になるものだとしみじみ感じる

このホームページは、人生の色々な思い出が一杯詰まった、私の宝箱そのものだ。

過去を見ながら、さあ、前を向いて行こう。さらにホームページは膨れ上がっていく。

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